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2009年10月18日日曜日

記録映画アーカイブ・プロジェクト ワークショップ報告

今日は、東京大学大学院情報学環が主催する、「たのしい科学 岩波映画の理科教室」に行ってきました。記録映画アーカイブ・プロジェクトが行うワークショップには今回初めて私は参加しましたが、前回の「イメージとしての開発 岩波映画・佐久間ダムを見る」に引き続き岩波映画を特集したこの企画は、一見地味なように見えながらも非常に内容の濃いもので、大変貴重な体験となりました。

計4本の科学映画の上映の他、実際に中学・高校で現在教鞭をとられている先生が模擬授業したりするなど、プログラムの構成にも様々な工夫がなされ、観客を楽しませてくれます(途中、休憩の合図に学校のチャイムが鳴るサービスもありました)。特に『ものの燃える速さ』という映画では、粉々にされた炭に火がつき、それが爆発した瞬間、客席からは驚きの声が上がり、みなさんそれぞれが科学映画の魅力に引き込まれていっていたように思います。

しかしながら、今回のイヴェントで最も印象的だったのは、会場にいた多くの人が同様に感じたであろう、岩波映画製作所OB、牧衷(まきちゅう)さんのお話です。入社試験のエピソードから製作の苦労話、予算の問題など、当時の様子を実に鮮明に記憶されており、牧さんがもつ科学映画に対する情熱がひしひしと伝わってきました。このような話は単に歴史的証言として貴重なだけではありません。牧さんのお話で特に興味深かったのは、DVDという新しいメディアが持つ可能性についてです。科学映画はその性質上、基本的に学校の授業で使われていましたが(あるいは今回上映されたものにはテレビ用のものもありました)、その際、映像をいったん止め、実験の結果を彼らに考えさせたり、議論させたりすることが生徒の理解を促進する有効な手段になる場合があります。当時のフィルム上映の場合には、実際に映写機を一度止める必要があり、牧さんの話では、映写機を止める指示を字幕で示した科学映画もあるということでしたが、DVDが普及したおかげで、映像を止めることが容易になり、これを受けて牧さんが、ようやく科学映画の理想の媒体が現れてとてもうれしいと述べていたことが非常に印象的でした。コーディネーターを務めた佐倉統さんが述べていたように、時代がようやく牧さんの科学映画に追い着いたとも言えそうです。そして、このような科学映画の理想の使用例を実践して見せてくれたのが、長谷川智子さんと櫻井順子さんによる模擬授業でした。

対談相手をなさったフィルムセンター主任研究員の岡田秀則さんもおっしゃていたように、これまで牧さんの話をきちんと聞き、それを伝えてこなかったのは映画史の怠慢であると思わなくてはいけないかもしれません。それほど今回のワークショップは内容豊かであり、文句なしに面白いものでした。次回の記録映画プロジェクトによる企画は「岩波映画と女性」についてだそうで、年明け後に行われるようです。これもまた期待したいと思います。

木原

2009年10月3日土曜日

編集会議

昨日、『映画学』の編集会議を行いました。

内容は年内に発行予定の『映画学』第23号に掲載予定の論文の査読です。
同人のものを中心に、お互いの論文に目を通し、内容や体裁、誤字脱字のチェックなどをしていきます。

今年は日本映画と映画理論の特集を組む見通しもでき、意義ある会合だったと感じています。

また、議論は今後の『映画学』の編集・運営体制に及び、これについては同人それぞれに思うところがあり、難しさを感じさせられました。
映画研究という学問をめぐる環境も、『映画学』という同人誌の位置づけも、創刊当時とはずいぶんと変わってきています。そうした変化のなかで、『映画学』は今後どのような役割を担っていくことができるのか、担っていかなければならないのか。そのためには、現在の運営体制や発行形態で十分なのか。

現在の編集代表を務める身としては、疑問や不安はゼロではありません。今後もそうした疑問や不安は消えることはないと思いますし、また、そうした問題意識と改善の意思をなくしては『映画学』は良くない方向に向かっていってしまうとも感じています。

その意味で、今年度は新入生の積極的な協力もあり、そうした問題意識を共有し、改善への歩をすすめることができているという自負もあります。今後も時間と能力の許すかぎり、前に向かって少しずつでも進んでいければと思っています。


あっ、そう言えば、デイヴィッド・ロドウィック主宰のAesthetics and Philosophy of FilmのHPが更新されていましたね。ハーヴァード大学のVESでロドウィック先生自身が開講しているコースのシラバスなども見ることができ、映画学徒としては興味があるところです。
では。

今野真

2009年9月1日火曜日

『映画学』編集会議

8月31日、昨日は午後からキャンパス内のラウンジで、『映画学』の編集会議を開きました。

話し合いの結果、このブログは会員が交代で更新していくことに決まりました。内容は、近況や研究活動の報告、演習や講義などの紹介です。書くからには面白いものを目指していこうと思います。今後ともよろしくお願いします。

また、会議では装丁や今号の特集などについても話し合いました。特集として、今回は日本映画に関わるものに取り組もうと考えています。詳しい内容はまだまだこれからですが、きっと面白い特集になるのではないかと思います。12月に発行される『映画学』第23号をお手に取り、ぜひ皆さま自身の目で確認していただければと思っています。


個人的な感想ですが、たまにこうして友だちと話すのも良いことだと、改めて感じました。自分の研究などについて話しているうちに、自分のなかでも考えがまとまってきます。話しているうちに、それまでは考えつかなかったアイディアが浮かんでくることもしばしばです。

こうして映画研究を志す仲間と切磋琢磨していられる時間も、残すところ僅かです。一日一日を大切に、『映画学』の編集、修論の執筆に力を注ぎたいと思います。

では。

今野 真(修士課程/映画理論)

2009年8月21日金曜日

映画学研究会ブログ

この度、早稲田大学映画学研究会のホームページをリニューアルいたしました。これに伴い、映画研究関係サイトのリンク集と、このブログが新たなコンテンツとして追加されました。 今後もより充実したホームページを継続的に提供できるように努めてまいりたいと思います。

『映画学』を今後ともよろしくお願いいたします。

                              ホームページ担当 木原